どこの家のうさ子でもそうだと思いますが、うちの先生も例によって例の如く、なかなか自分のお部屋に帰りたがりません。
でも、それでも充分に遊んであげた日は、大好物のメディラビットをひとつまみほどあげれば、素直に戻ってくれていたんです。
ところが先日、充分に遊んでいても、先生がお部屋に戻ってくれなくなりました。
理由は、床に敷いていた『すのこ』がカビてしまい、これを取り除いたからです。
すのこがなくなって、入口との落差が大きくなったため、家に入るのを怖がっているように見えました。
なので、昨日と一昨日は俺が手で戻してあげていました。
ところが今日、急に「ひょい」っと入ってくれたんです。
慣れたにしてはあまりにも早すぎる……。
おかしいなと思って考えてみると、ふとした考えにたどりつきました。
そういえば、『部屋から出るとき』は特に怖がっていなかったんです!
落差が怖いなら出るときだって一緒なはずなのに……。
つまり先生は怖がっていたのではなく、「お部屋に戻るの怖いから、もう少しお外にいてもいいでしょ? ね?」という
フリをしていただけだったのです!
……せ、先生……。
なに平気な顔してメシ食ってんですか……。