あまりの衝撃に頭が混乱した。
ケージの中に生まれたての赤ちゃんうさぎがいる。誰が入れたの?泥棒が入った?
はなが出産したのだと当然のことに気づいたのは数秒のちのことであった。
飼育書は数冊読んだけれども、「妊娠なんてありえない」とその関連ページは飛ばして読んでいたため、何をどうしたらいいのかさっぱり分からず慌てた。
気が動転してたため、飼育書を開いても頭に入らない。
徹夜で仕事して眠たくて仕方なかった気持ちもふっ飛んだ。
あとで知ったのだが、うさぎというのは初乳を与えるのに数時間(うろ覚えだけれど長くて24時間位?)空けるのだそうだ。
犬や猫の出産しか見たことの無いわたしは、初乳を与えないはなが育児放棄したものと確信し、旅立っていったうさぎ二羽を新聞紙で包み、血で汚れたケージからはなと、赤ちゃんを避難させた。もちろん素手で。
急いでDIYセンターからうさぎ赤ちゃん用粉ミルクを購入し、溶いたものを布で湿らせて二羽の口に垂らしていった。
その頃のはなはというと、ずっとずっと自分の毛づくろいをしていた。
全く血液で汚れていないし、平然としていた。
本に書いてあるように自分の胸の毛をむしって巣を作ることもなかったし、
なんの変哲もない、通常通りのケージの中での、一般的に正常でない出産だったけれども、ストレスから赤ちゃんを食べてしまうこともなかった(口元が血で汚れていなかったから・・・)